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【冬のオンライン特別講座】「パイオニア精神の醸し方」~白井浩一郎先生~


今回の授業は、中国醸造株式会社の社長、白井浩一郎さんを本社からオンラインでお迎えし、次々と新しいものを生み出し商品化していく、パイオニア精神などを伺いました。


◾️白井さんと中国醸造

子どもの頃は、マラソンやキャンプをするために宮島を訪れたり、自転車をこいで阿品にあったナタリー遊園地まで遊びに行ったりなど、活発で元気に遊んでいた白井さん。この頃はまだ、中国醸造には会社主催の運動会や餅つき大会でときどき行く程度で、酒蔵の中を見たのは1回だけ。正式に入社するまではお酒や会社について詳しくは知らなかったそうです。


「いつかは会社を継ぐだろうけど、すぐではないだろう…」セントラルミシガン大学への進学も、醸造に関する研究ではなく経営学を専攻。大学卒業後、日系企業に2年半勤めたのち、お父さん(先代の社長)が身体を壊したことをきっかけに広島に戻ってきます。お父さんは無事回復されましたが、32歳で社長に就任。歴史のある会社を継ぐことに「やるしかない」と腹をくくります。



◾️社長に就任後、注力したこと

「酒離れ」が進んでいると言われている昨今、コスト面での競争も大手の会社ほどはできません。そのため、どう高い付加価値をつけて商品を売っていくかと白井さんは頭を悩ませます。中国醸造のお酒の価値とは何か?そんな中、ある時、友人から「中国醸造のお酒を置いてあるおいしいお店がないか」と聞かれたことをきっかけに、白井さんのお酒に対する価値の考え方が変わります。美味しいものを食べるときに、それと併せておいしいお酒を提供することができることが価値ではないかと。つまりそのような体験、「コトを提供する」ことが価値の基準の一つになるのではと考えるようになります。


また、お客さん目線で中国醸造でつくってほしい商品は何かと考え抜いた結果、「リキュール」の甘いお酒をつくるというアイデアが浮かびます。これであれば他にはない提案ができると考え、力を入れて商品開発していきます。お土産需要に応える商品として、「もみじ饅頭のお酒」も開発。今でも中国醸造の看板商品です。



◾️パイオニア精神

中国醸造は最初、九州で「ダルマ焼酎」の売れ行きが好調となり、業界初の紙容器入り日本酒「はこさけ一代」も人気商品となります。トライアル&エラーの気質は昔からのようです。その時代に応じて力を入れる場所を変えることが、新しいものを世に出す時に大事であると白井社長は言います。


2018年に広島発のクラフト蒸留所「SAKURAO DISTILLERY」をオープンし、国産シングルモルトウイスキーと廿日市市の厳選された素材を使用したジンの製造を開始。蒸留酒の自社製造は、もともとは海外の方から「ジャパニーズウイスキーがほしい!」と買い付けがあったことがきっかけだったそう。どうにかしてウイスキーを造れないか。アルコールにジュニパーベリーやかんきつ系の匂いを香り付けして造るジンはどうだろうかと思いつきます。調べていくと廿日市市で取れる材料も使って造れることがわかり、最終的にメイドイン廿日市のジンの販売が実現します。



◾️白井社長が描く今後の中国醸造

世の中のニーズを見ながら、次の100年はもっと日本酒を海外に発信する会社にしたい。日本人も和食を食べる機会が減っているので、和食のお供だけではない可能性のあるお酒を探っていきたいとの言葉から、白井社長のパイオニア精神を感じました。



◾️授業の最後に参加者の皆さんと座談会

○新商品の一般募集があれば参加したいです!

 いまは一般募集は行っていないのですが、「カープ梅酒」を造るとき、カープ女子の方々に試作品を飲んでいただき、意見をもらいながら商品化していった経緯もあります。


○イギリスの友人に桜尾ジンをプレゼントしたら「濃い!」と喜んでいた理由がわかりました!

一番人の消費が多いのはイギリス。ジュニパーベリー(ジンの主原料)の独特の風味がしっかりと感じられるジンがイギリスでは主流です。当社のジンも瀬戸内のかんきつの香りを特長として出しつつも、しっかりとジュニパーベリーが感じられる味わいになっています。それに加え、アルコール度数が47%と、ウイスキーよりも度数は高くなっているため濃く感じるのではないかと思います。当社のジンを楽しんでいただくときは、個人的にはジントニックで飲むのがおすすめです。


○リラックスしているときは何をして過ごしておられますか?

 食べ歩きが好きですね。日本酒が一番好きなのですが食べている料理に合わせて、どんなお酒でも飲みます!



白井さんのお話を伺い、参加者の皆さんも桜尾ジンを堪能したくなったはず。突き進み続け、常に新しいものを生み出す白井さんのエネルギーに感銘を受けました。そして、お酒の可能性は無限大であると感じることができました。 レポート:藤原杏(学生レポーター)


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